
悦子さんへの手紙:Investment
こんにちは、Erinaです。
悦子さんとの文通シリーズ、今回で4回目です。
今までに文通した他のテーマは・・・
三通目:パッション (Passion)
前回のテーマ「パッション」について、こんなお返事を悦子さんからいただきました。
ではでは、今日は新しいテーマ”Investment”について書いてみます。
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悦子さん、こんにちは!
日本はこれから暑くなりますね。日本の夏は私の好きな季節ですが、その前に本州は梅雨があるんですね。私は北海道出身なので、梅雨を体験したことがないんです。
サンディエゴはMay Grayの真っ只中で、一日中どんよりと雲に覆われています。
悦子さんのPassionを読んで、私も単語の意味を考えて思い出しました。
しばらく前に、映画で”The Passion of Jesus Christ”というタイトルの作品がありましたよね。あれもクライストの試練という内容だったはずですが(見てないんですけど・・・)、タイトルが”Passion”で、「そういう意味もあるんだ?!」と思った記憶があります。
試練を乗り越える、火を燃やし続ける、結婚生活を続けるのにも、”ongoing”なパッションが必要、という感じなのでしょうか。
このテーマは勉強になりました。
今回のテーマは”Investment”ですか。そう来るとは思わなかったので、ちょっと考えました。笑
私は大学でファイナンス数学(金融工学)を勉強したので、Investmentという言葉を聞くと、つい「お金の話」に向かってしまうのですが、それだけではなく、もちろん人生や結婚生活にも使える言葉だと思っています。日本語では「投資」と使いますね。
私が思うに、Investmentという概念の中で、とても重要な役割を果たす要因として「時間」があります。
大学時代、Investmentのクラスで、こんな課題がありました。
investopedia.comというウェブサイトは、自分のクラスを登録すると、クラスメートたちとバーチャルの株式投資ができるというもので、セメスター中、ここで最も成功した投資をした学生は、成績のポイントをもらえるというものでした。
この課題は授業初日に説明され、興味のあった学生たちが、早速、投資をし始めました。その後、ちらほらと他の学生たちもアカウント登録し、数ヵ月後にセメスターが終了。
私はクラスメートたちの株の動きをわりとマメに観察していたのですが、ずっとトップを切って走り、ゴールした学生というのは、授業初日にスタートした学生だったのです。
つまり、どれだけアグレッシブな売買をしたとしても、初日にスタートした学生と、2週間遅れてスタートした学生の間には大きな差が生まれ、それを埋めることは最後までできなかったのでした。
私はこの経験から、「Investmentには時間がキーだ」と思うようになりました。
「時間」というのはどこの誰にも平等に降りかかるものであり、お金持ちだからたくさんあるとか、賢いからたくさん持てるというものではありませんよね。誰にでも一日24時間と限られたものです。
ですから、それをいかにうまく使うか、というよりも、いかに理解するか、ということは、株だけでなく、あらゆる「投資」において必要なのじゃないか、と最近になって気づき始めたところ。
夫婦として、将来どうありたいか、家族として、どうなりたいのか。
そういう計画を1年単位、5年単位、10年単位で、定期的に話し合い、そのためには何が必要か、どんな投資をするのか。
私たちの場合、結婚するタイミング、子供を持つタイミング、家を買うタイミング、次の里帰りのタイミング、それこそバスルームリフォームのタイミングから子供のスポーツのタイミングなど、とても小さなことですら、お互いが納得するまで話し合ってきたように思います。
英語で言う”Constructive discussion”(建設的な会話)はこういう場面で必要になりますし、そのためにはある程度の会話力、感情的にならない冷静さなども必要だと思います。
そしてこういう計画が形になるには、ある程度の時間が必要であり、花をつけ、実をつけるには一日二日では起こらないというのは、まさに大学時代の株の課題と同じだと思っています。
もちろん人生は計画通りに行かないことばかりなので(笑)、横道にそれることも多々ありますね。
結婚生活の中で、計画通りに物事が進まないと、誰でもイライラするし、不安になるものでしょう。相手ばかり得してるんじゃないの?なんてケチな私はつい思っちゃうわけです。
そういうときに私がイメージするものは、「中立なブタの貯金箱」。英語で”piggy bank”って言われるアレですけど、ちょっとわけわからないですね。笑
自分とパートナーの目の前に、あのブタちゃんの貯金箱があると想像してください。そのブタちゃんの貯金箱は、私のものでも彼のものでもなく、あくまで二人のもの。
お金やエネルギー、時間、それこそ忍耐や努力、才能など、一人がそこに投資できるものは、色々とあり、その貯金箱に入ります。ブタちゃんがいっぱいになり、「さぁ、使おう!」となったとき、二人でトンカチで壊し、二人で使ったり楽しんだりするのが目的です。

こう考えると、どちらのためではなく、二人のためのInvestmentであり、今ある苦労や試練も、二人で乗り越えていけるんじゃないかな、と思っています。
どうでしょうか?
私なりのInvestmentを書いてみましたが、悦子さんの考えるInvestmentからかけ離れてないと良いなぁ・・・。
ではでは、お返事を楽しみにしています!
えりな